Nさんは毎日ねこに連絡を欠かしません。

電話だったり、LINEだったり。

LINEは、おはようからおやすみまで、その日の予定や今何をしているか、仕事中でも、家に帰っても、合間を縫っては送ってくれますし、ねこも同じように送っています。

電話も、5分でも話せる時間があればかけてくれて、仕事のことや子供のことも、何から何まで報告、相談をしています。

これはもう4年ほど欠かすことなく続いていることです。

ここまで密に連絡を取っているので、身体が近くにないだけで、いつも一緒にいるようなものなのです。


そんなねこたちですが、最初の頃はNさんと一緒に暮らすことができる奥様に対して、ヤキモチを妬いたこともありました。


でも、一度、Nさんとの喧嘩の中で

「私はあなたを家族から奪うつもりはないけど…」

と言ったねこに、Nさんは心底驚いたように言ったのです。


「何を言ってるんだ?
ねこはもうとっくに、私のことを奪っているじゃないか!」


その言葉にねこは、自分がいかに、Nさんの身体がここにないということだけにこだわっていたのかに気づきました。

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