ねこがまだ大学生の頃、バイト先の先輩(女性)に可愛がってもらいました。

先輩はその頃27歳で独身で、実は不倫しているんだと教えてくれました。
「でも、彼はもうすぐ離婚するから、そしたら結婚できるの」
と、嬉しそうに。

相手の男性はそのお店に先輩を迎えに来たりしていたので、ねこにも会う機会があったのですが、とても素敵な人で、不倫とはいえ、大人の素敵なカップルだなぁとねこは憧れにも似た気持ちを持っていました。


ある日、急に先輩が仕事を休み、先輩と仲の良い他の従業員がこそっと事情を教えてくれました。

先輩と彼が、彼の車で移動中のこと。
「やっぱり離婚はできない」
という彼の話に怒った先輩が、
「じゃあ一緒に死んで!」
と、彼の持つハンドルに手をかけ、急に大きく切り、車はガードレールか何かにぶつかって大破。

2人ともケガは大したことはなかったらしいですが、奥様にもバレて色々と大変なことになったそうです。

そのまま先輩は来なくなり、ねこも間もなくバイトを辞めてしまったため、その後のことはわかりません。

あんなに穏やかで幸せそうに見えたのに、2人の間には、簡単には越えられない障壁と大きな気持ちの差があったのだなと、今もふと思い出します。


今、ねこはその頃の先輩と似た立場にありますが、決してNさんを困らせるようなことはしないと決めています。

あの頃の、先輩の気持ちも痛いほどわかるのですけどね。


ねこも、Nさんの家庭にヤキモチ妬いたり、拗ねたりしたこともありましたが、今は、Nさんが幸せだと、ねこも幸せ、ということに気づいたのです。

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